PORSCHE 914/6 GT
1970 Marathon de la Route - Nürburgring 86 hours
1970年にニュルブルクリンクで行われた Marathon de la Route に出場した3台の914/6GT は、Larrouse, Haldi, Marko らがステアリングを握るグループ6仕様の#1号車が優勝、同じくWardegaard らがステアリングを握るグループ6仕様の#3号車がこれに続く2位、そしてグループ4仕様の#2号車までもこれに続く3位でチェッカーを受け、86時間耐久レースの表彰台を独占する快挙を成し遂げました。優勝した914/6 GTは、86時間で約28kmのコースを358周、1万キロ以上を走破しています。出走64台のうち、完走した車両がわずか24台だったことからも、このレースの過酷さが伺われます。
1969年に80馬力のVW製4気筒1.7リッターエンジンを搭載してデビューした 914。翌1970には110馬力の 911用の6気筒2リッターエンジンを搭載したホットバージョンの 914/6 が追加されています。より幅広のタイヤを装着できる大きく張り出した前後のフェンダーをもつ GT ボディを選ぶことができました。
この作品は SMP24 1/24のレジン・キットを改造したものです。 同社からはあまりキット化されていない数々のスーバーカーが手ごろな1/24スケールでモデル化されており、914もそのひとつでした。全体のプロポーションが良好で、部品数も少なく、914の特徴をよくとらえているキットで、多少手を加えて 914 の各モデルを再現するためのベースモデルとしてたいへん重宝している、お気に入りのキットのひとつです。914はレベルから1/25のキットが、バンダイから1/20のキットが販売されましたが、1/24スケールのプラスチック・キットはなく、レジンやファイバーグラス製の 914/6 GT のボディ・キットなどが Völkl Model や Two Cats Modelos から少数販売されているのみでした。
914/6GT は通常の914より張り出した前後のオーバーフェンダーが目を引きますが、今回は 914/6 GTよりさらに大きく張り出したグループ6仕様のオーバーフェンダーや極太のタイヤ、ホイール、競技車両用の装備等を自作し、1970年の 86時間耐久レースで優勝したマシンに仕上げてみました。公道レースとして歴史ある Marathon de la Route は、国境を越えて一気に 5,000km 以上を走破する過酷なロードレースとして知られていますが、コースとなる各国からの苦情対策もあり 1965年から1971年の間は、会場をサーキットに移して実施され、1970年は Nürburgring で 86時間の耐久レースとして実施されました。86時間でも信じられない長時間ですが、実に96時間耐久レースとして実施された年もあったのが驚きです。